銀座で働く橙花は、夫と別居中。
仕事もうまくいかず都会での生活に疲れ気味。
ちょうど母の三回忌を迎え、
船にゆられて故郷の離島へ帰ってきた。
すると、実家では
唖然とする橙花に追い打ちをかけるように、
見知らぬ居候が登場。
それはお調子者の中年男・和生と
生意気な女子高生・ダリア。


突然の父の報告に動揺する橙花とは裏腹に、
一切気にも留めない様子の弟・翠が加わり、
みんなで食卓を囲む羽目に…。
みんなちがってそれでいい。
のびのびと過ごす島の人々と、
橙花の暮らしがはじまった。

人間の美しさではなく、人間の歪さを肯定する作品です。
西 加奈子(小説家)
父さん、母さんになるって、もう大歓迎! 今の世、男だ女だ言う以前に、人のことを我がことのように考えられる想像力が必要なのよ。ちょっと優しい気持ちになれるはずよ。
よしひろまさみち(映画ライター)
家族があり、暮らしがあり、おいしさがある。そのすべてがうらやましい。そのすべてにうそがないからだ。
松浦弥太郎(エッセイスト)
なりたい自分でいられる社会。
好きなものを好きといえる世界。
映画の中に理想郷がありました。
食べて、笑って、ケンカして、ときどき泣いて。
家族っていいなぁ。人間っていいなぁ。
伏原健之(映画監督『人生フルーツ』)
「周囲と同じでなくてもいいんだよ」という思慮は、社会に対して斜に構えたり、周囲に馴染もうとしない姿を肯定する事と、微妙にイコールではないという本質を知る。
松崎健夫(映画評論家)
ぐっとくるセリフが要所に発せられ、パラダイスな環境と奥深いテーマを繋いでいく。カラフルな世界と素敵な言葉。映像と文字のおいしいハーモニーだ。
矢田部吉彦(東京国際映画祭プログラミング・ディレクター)
板尾さんのワンピース姿が切なくて愛おしく見えてくる。ふくだももこ監督にしかできない斬新な演出もやっぱり面白い。泣いて笑って泣いた!
黒川芽以(女優)
食卓を挟み、目尻をさげながらおいしいね。それ以上も以下もいらない。形なんて、見栄えなんて、どうでもいいじゃない。たべものの味は、思い出に優しく色を添える。
村田倫子(モデル)
おいしそうでかわいくてあったかい映画でした。新しいこと、新しくなったこと、自分にとってのそれらを受け入れた時、新しい幸せが見つかる気がしました。
伊藤沙莉(俳優)
去年、亡くなった僕の祖母
今でも、あの日のカレーの味が忘れられなくて
それは紛れもなく愛の味で
僕たちはいつだって食から愛を蓄えては
また今日も愛してくれた人への
想いを育み生きていく
木口健太(俳優)
ふくだももこ監督が描く理想郷では、爆発寸前の火種が常にくすぶっている。
理想郷を構築するゴールではなく、そこからすらこぼれ落ちそうな人物へと向けられる監督の愛情深い視線に、感動を覚えました。
安川有果(映画監督)
女装の板尾さんに、松本穂香のヒロイン同様ギョッとしながらも、やがてふくだももこが目指す“ユートピア”へと誘われる。監督初長編にして、お見事!
松崎まこと(映画活動家/放送作家)
ジェンダーやセクシャリティの新たなる切り口。なるほど、これが“21世紀の女の子”監督か。いつもは変態の、板尾創路の女装が、なぜか愛しきアラ不思議。見ると、おはぎ食べたくなる映画。
塩田時敏(映画評論家/ゆうばりファンタ プログラマー)
人と違う事を認めるのは簡単なようで難しい事。面と向かって話し合い、お互いの考えを受け入れる寛容な心を持つ大切さを再認識させられました。
永井秀幸(鉛筆画家/3Dアーティスト)
理由よりも大事なことがある。それをちゃんと大事にすること。観おわった時には、こちらも、理由のわからないまま、ちゃんとこの家族たちを大事に思える。
滝口悠生(小説家)
森泉岳土(マンガ家)
ふくだ監督はその思いやりによって、誰一人取りこぼすことなく幸福に導こうとしているように思う。もしそうなら私も一緒に信じたいと思う。
おくやまゆか(マンガ家)
オカヤイヅミ(漫画家・イラストレーター)
この島の人たちはそれぞれの色を持っていて、他者に合わせて塗り重ねることもなく自分の色そのままでいる。
君のその色いいねって。カラフルな幸福を見ました。
飯田エリカ(少女写真家)
※敬称略・順不同
森泉岳土(マンガ家)
オカヤイヅミ(漫画家・イラストレーター)